· 

散歩中の独り言

楽しい事や悲しい事、幸福や不幸は、現実の世界より思い出や将来に対する想像の中での方が強く感じられ、その人の心に大きな影響を与えることがあります。

現実の世界では日常の仕事や雑用が中和作用をはたすため、全ての感情が妥協点を見つけ曖昧のうちに処理されるからだと思われます。

私の場合、散歩の途中、次第に体が疲れ、肉体と精神が遊離し始めた時、過去の思い出と将来の不安が突然心に忍び込むことがあります。そのような時、我を忘れて独り言が口から出ることがあります。「なぜ、生きていかなければならないのだ」とか「あの時は本当に辛かった」などです。しかし、人間はうまくできている存在なので、散歩が終わると、現実の生活が全てを忘れさせてくれます。